テイスティングノート

バニラとクランベリーの香りが、ローストカシューナッツとキャラメルへと広がり、ベルベットのようなミルクチョコレートのボディを醸し出します。フィニッシュにはタマリンドとパパイヤのニュアンスが感じられます。

背景情報

パラダイス・コーヒー・ロースターズは2004年以来、ロブスタ種のコーヒー生産者を擁護してきました。そのため、パラダイスの創設者ミゲルは、インド、エクアドル、タイのロブスタ種のコーヒー生産者を支援し、協力してきました。業界が持続可能性に真剣に取り組み、コーヒー生産者を真に大切に思うのであれば、世界のコーヒー農家の約半数を無視することはできないと私たちは考えています。私たちにとって、スペシャルティコーヒーは種や品種、場所ではなく、プロセスなのです。

スペシャルティ・ロブスタはエスプレッソに最適で、エスプレッソ・クラシコブレンドに欠かせない存在です。このコーヒーのような素晴らしいコーヒーは、酸味を抑えた、心地よいハンドドリップコーヒーとしてもお楽しみいただけます。

2016年12月、ミゲルはBeanspire Coffeeの輸出業者である友人と共に、タイ南部のラノーン県とチュムポーン県のロブスタ種栽培地域を訪れました。タイのロブスタ種は、多くの国と同様に、伝統的にインスタントコーヒー工場で利用するために加工されてきました。つまり、農家は未熟な実を多く含むコーヒー豆をストリップピックし、土の上で自然な方法で乾燥させるのです。タイではこの方法で年間約2万5000トンのロブスタ種が生産されています。

訪問中、インスタントコーヒー工場への供給依存度を下げようとしている進歩的な農家グループと面会しました。彼らはロブスタ種のコーヒー豆にウォッシュドプロセスを試用しており、スペシャリティロブスタへの取り組みを開始して以来、業績は向上しています。私たちが訪問した年、グループはベテラン農家のパニド・チューシット氏をネットワークに迎え入れたばかりでした。

パニド氏は20年間ロブスタコーヒーを栽培しており、過去には8トンのコーヒー豆すべてをインスタントコーヒー工場に出荷していました。彼の農園はチュムポン県ターセーの標高525メートルに位置しています。今回の訪問中、私たちはパニド氏と協力し、フルウォッシュド法の実験を行いました。私たちは彼のプロセスを改良し、結果を大幅に改善しました。Beanspire社は、これらのスペシャルティグレードのロットに対して、タイの一般的な市販グレードのロブスタコーヒーの市場価格の2倍の価格を提示することができました。しかし、同氏グループとBeanspire社の努力を目の当たりにした市販グレードのバイヤーは、その地域のロブスタに対して50%高い市場価格を提示しました。これにより、一部の農家がスペシャルティグレードのロブスタを開発する意欲が低下しました。しかし、パニド氏はとにかくこの改良を追求し続けることを決意し、8トンのうち1トンをスペシャルティグレードに切り替えました。その結果が、カップで味わう味です。これは間違いなく、タイで生産される最高のロブスタコーヒーの1つです。

ロブスタを使った醸造のヒント

ロブスタはアラビカコーヒーよりも密度が低く、抽出方法も大きく異なります。エクアドルのバリスタとブリュワーズカップ優勝者の友人から、シングルオリジンのロブスタコーヒーを最大限に引き出すテクニックをいくつかご紹介します。

ヨハン・ブエナノのポアオーバー 2019 エクアドル・ブリュワーズカップ優勝

• 15gの挽いたコーヒーを200mLのお湯（201～203F）に使用します。
• 挽いたコーヒー豆を30mlの水であらかじめ湿らせておきます。
• 30秒後、残りの水170gを一気に注ぎます。
• 目標抽出時間 1:30～1:45

2016年エクアドルバリスタチャンピオン、マリオ・イドロボ氏のエスプレッソレシピ

• バスケットに余裕がある場合、194 ～ 196F の水で 20g 以上を使用します。
• 1:2の抽出比率。コーヒー20g = 抽出したエスプレッソ40g
• 抽出時間は23秒。

ロブスタ種はクレマを多く生成するため、量感は見た目とは大きく異なります。一見、注ぎ出しが速すぎるように見えますが、抽出後にクレマは沈殿します。